ドイツ生まれのCAD/CAMシステム「セレックAC」についてご紹介します。
※セレックACは現在使用しておりません。
セレックACは、歯のセラミック治療をコンピューター制御で設計・製作できるCAD/CAM(キャドキャム)システムです。
ヨーロッパではかなり普及しており、セレック1にはじまり2、3と進化し、4にあたるのがセレックACです。
この治療法は歯を撮影するだけで、後は基本的にコンピューターとミリングマシンが作業を進めてくれるので、とてもスピーディな精密治療を実現します。
また、使用する歯科材料のセラミックは見た目や耐久性だけでなく、噛み心地、負担の少なさなど上質な歯の役割を担ってくれます。
セレックACによるセラミック治療が向いているのは下記のような方です。
CAD/CAMで作るセラミック歯の魅力を漫画で分かりやすくご説明します。
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治療の流れについて、セレックACを使用した審美セラミック治療を一例にご紹介します。
歯の治療箇所を削ってから、ブルーカム3D光学カメラを使用して患部を撮影(スキャン)します。型取りと違って嘔吐反射の不快感はありません。 わずか数秒の作業で、あなたの歯がコンピューターのモニターに再現されます。
コンピューターのモニター上で歯の形態や噛み合わせ調整をあらゆる角度からおこない、患者さまのご希望に沿った形状にします。
設計が完了したら様々な色のセラミックブロックから最適なものを選定します。セラミックブロックは種類によって作製時間が異なります。
コンピュータ設計したデータを元にセラミック・ミリングマシンと呼ばれる機械がセラミックブロックを精密に削り出して完成です。 通常のミリングマシンは4軸ですが当院は質を追求するため6軸マシンを導入しています。
ミリングマシンで削り出されたセラミックを接着技術を用いて、あなたのお口の中にセットします。これで治療完了です。 治療時間は簡単なケースなら1時間程度ですが、色調や形態が複雑な場合は翌日以降の仕上げになる場合もあります。
従来のセラミック治療とセレックACを使用したセラミック治療の違いをご説明します。
※歯型から石膏模型を作り、歯科技工士が石膏模型上でセラミックを作製します。完成まで通常1~2週間かかります。
では、セレックACを使った治療をご説明します。治療期間も時間も大幅に短縮できることが分かりますよ。
銀歯が日本人に多い理由やセラミック歯との違いをご説明します。
海外の歯科医師から「なぜ、日本人は銀歯が多いの?」とよく質問されます。
実は銀歯を多用している国は世界中で日本だけ!
その理由は今の保険制度にあります。日本で奥歯の治療をする場合、保険が効く被せ物は「銀歯(金銀パラジウム合金)」しか選択肢がないからです。
ところが海外では、保険適応外であってもセラミック歯が一般的に選ばれています。
一般的な銀歯治療は大きな型枠を使い、歯の型取りを手作業でする必要があります。これは時間がかかるうえ、患者さまに何度も通院してもらう原因になります。
ところが、セレックACを使用したセラミック治療なら3Dカメラで歯を写真撮影するだけで、ほとんどの作業工程をコンピューターがしてくれます。しかも、条件さえ合えば1日修復と呼ばれる1回の治療で終了することが可能になります。
銀歯治療は歯科医師や技工士が最善を尽くし、良い被せ物を作ったとしても虫歯が再発しやすい傾向にあります。その理由を2つご説明します。